「青い部屋」のライブでお会いした戸川昌子さんのことは、今でもはっきりと覚えています。
レインボーカラーの髪に真赤なドレスがよく似合う、とても気さくな方でした。
本を2冊購入したら、2冊とも、違う言葉を添えてサインをくださいました。
もうひとつ印象的だったのは、こんな場面。
ステージに出ていかれる時、足場がちょっと悪かったのでスタッフが「気をつけてください」と声をかけたのです。
そのときの戸川さんの返事は
「ありがとう」ではなく
「うるさいわねっ!」(怒)でした。
本気で怒るその姿から、老人扱いしないでちょうだい!という気概が伝わってきました。そうか、だから若いんだな~と感嘆。
亡くなられた今、改めてサインを拝見すると、ページいっぱいに書かれた文字のなんと奔放なことでしょう。
不屈の意志とパワー。集中力。シャープな感覚とホットな優しさ。そしてアーティストらしい魅力をたたえた筆跡です。
作家としてシャンソン歌手として確かな足跡を残した戸川さん。
戸川さんにしか描けない世界に、大きな刺激をもらいました。
型破りで、華やかだったその姿が、肉筆を通して活き活きとよみがえってくるようです。
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