黒柳徹子さんのエッセイから生まれたNHKドラマ「トットてれび」、好評ですね。私も楽しみに見ています。
さて。画像の筆跡は、別のある番組で、自分を表現する一文字ということで徹子さんが書いたものです。
「優」の字に込めた思いをインタビュアーにたずねられると、こう語っていました。
「優しくありたいと思う」
「優しさってなんですか?」
「理解すること、すべてを。だって理解しないと優しくできないでしょう。(私は)あんまり優しくないから、達成目標。私、芸能界に入ってすごいのは、黒柳さんケンカするでしょうって言われるけど、1回もケンカしたことないの。(相手のすべては)わからなくても、とにかく優しくしてあげようって思う」
この言葉を聞いて、『徹子の部屋』での徹子さんのようすを思い出しました。
どこの誰が相手でも、同じ口調、同じ丁寧な言葉づかい。そしてすごく正直。
だから、「どんな時でも笑顔」とか「洗練されたほめ言葉」とかの、わかりやすい優しさを求める人には、ちょっと物足りないかもしれません。
でも、徹子さんの言動は「そこでそのリアクション!?」という時ですら、イヤな感じがせず、面白いのです。それは、このインタビューで語っているように、根底に、優しくありたいという心があるからでしょう。
ということで、徹子さんの書いた「優」。
右方向への払いがとてつもなく長い筆跡です。そして、その線は緊張感をもって、やや上向きに、勢いよくシャープに伸びています。
右払いが長い筆跡は、一般的には情が深いと診断されます。
しかし、この線は意志的であり、優しいけれどもズルズルと情に流されるようなタイプではないことがわかります。それでいて、人から受けた優しさや感動した出来事は、いつまでも胸に留め、大切にしていく人でしょう。
そして、「つくり」においては線が力強く連なっています。これは並外れた意志の強さや集中力、精神性の高さの表れといわれる筆跡です。崇高な目標に向かってひたすらに進んでいける人です。へんとつくりの間の広さは、さまざまなものを受け入れる度量の大きさを表します。
先の番組で、徹子さんはこんなことも語っていました。
「30年間ユニセフの活動をして、子供たちの現状をテレビが映してくれることによって、日本の人たちがよその国のことを考えるようになった。それはテレビの大きい仕事だと思う」
「もしユニセフの親善大使にしていただかなかったら、ぼんやりした芸能人のままで一生終わったなと。だから感謝しています」
HPを見るとわかりますが、徹子さんは、これまで「ユニセフ親善大使 黒柳徹子」として集めている募金を(事務費用をもらうことなく)累計56億円以上ユニセフに寄付しています。それ以外のチャリティも継続しています。本当にすごい人です。
そんな徹子さんの一本筋の通った大きな優しさを、あなたも筆跡から感じ取っていただけるとうれしいです。
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