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はたきの思い出

はたきの思い出

昔ながらのはたきを使っています。
白木屋傳兵衛製の、羽二重正絹はたき。やわらかな生地で気軽に洗濯もできる優れモノです。柄は煤竹。渋いです。
これが、ちょっと高い所や、小物を置いた机などのホコリをはらうのに、実に具合がいいのです。

本棚でも大活躍です。本を傷めることなく、隙間もきれいにおそうじできます。

はたきで思い出すのが、近所の本屋さんで毎日のように立ち読みしていた中学生時代。

行けば必ずはたきを持ったおじさんが近づいてきて、棚を無言でパタパタとはたかれました。
中学生としてはけっこうな頻度で本を買っていたと思いますが、とにかくパタパタされました。一昔前のマンガによくある光景そのものでした。

その本屋さんは昨年閉店して、ケーキ屋さんになっています。

先日、伊勢佐木町の有隣堂で本を見ていたら、店員の男性が、感情のこもったものすごく丁寧な物腰で「恐れ入ります~、失礼いたします~」と近づいてきました。近くの棚で、他のお客さんのために本を探しているようでした。

こちらにとっては全然邪魔にならない行為なのに、そこまで丁寧にされて、非常にビックリしました。

う~ん。いろいろなことが、本当に、変わっていきますね。

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